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ラジオ「ありがとう浜村淳です」での浜村淳の気になる発言&行動記録:2019年版

ラジオ番組「ありがとう浜村淳です」関連の自分ツイートまとめの2019年上半期版・下半期版を公開しました。

浜村淳で振り返る2019年。今年はTwitterのモーメント機能でまとめようと思ってましたが、1年の間でめちゃくちゃ使いにくくなり、しかたなく今年のもNaverまとめです。

今年印象に残ったのは、月・火・土のアシスタントの佐々木りつ子さんの成長です。これまでは年齢が若いこともあって浜村淳の暴走をコントロールできない場面が目立っていた佐々木りつ子さんでしたが、今年に入ってからは、若い女性からの意見を物怖じせずにしっかり主張する場面が増えて、番組の延命に大きく貢献しているのではないでしょうか。

以下は過去のまとめです。

プリンス「Originals」の聴きどころBEST 3

プリンスが他人に提供した曲を自分で歌っているバージョンをまとめたアルバム「Originals」がリリースされました。

このアルバムに関連して一番言いたいことを一番最初に書いておくと、「Originals」に収録された曲の、それぞれ提供された人たちのバージョンも全部素晴らしいので、そっちもぜひ聴いて欲しいです。なので、権利者の皆さんには今すぐにでもそれらを再発してもらって、誰でも簡単に聴けるようにして欲しいです。

ということで、「Originals」の中で個人的な聴きどころポイントBEST 3を選んで、ツラツラと勝手に書き記しておきたいと思います。

3位 – 全然アレンジが違う「Nothing Compares 2 U」

この曲の初出(1985年)となるThe Familyのバージョンはストリングス(弦楽器隊とDX-7)とサックスの音しか入ってなくて、バンド演奏風の「Originals」収録版とは全然アレンジが違います。

「Nothing Compares 2 U」は84年の夏に解散したThe Timeの後釜プロジェクトとして始動したThe Familyのために作られた曲で、バンド演奏風バージョンが録音された後にミックスの試行錯誤が繰り返され、結局は自分で録音した音をザックリと削除し、代わりにクレア・フィッシャーによるストリングスアレンジを大々的にフィーチャーした形でリリースされました(このThe Familyのプロジェクトが両者の最初のコラボレーションです)。

ちなみに「Nothing Compares 2 U」は当時プリンスが付き合っていたThe Familyのボーカル、スーザン・メルヴォワンのことを歌っていると言われますが、その根拠は無く、プリンスがこの曲を録音するのをサポートしていたエンジニアのスーザン・ロジャースは、この曲はプリンスの長年の家政婦が仕事を辞めたことにインスパイアされた曲だと言っており、また、The Familyのメンバーのジェロームは、当時プリンスに相談していた自分自身の恋愛事情が歌詞になっていると主張しています。

2位 – かなり本気で歌ってる「Baby You’re A Trip」

ジル・ジョーンズのデビューアルバム(1987年)に収録された曲ですが、1982年にはすでに録音されていたという話です。曲のアウトロに1分近くボーカルが自由自在に強く弱く上へ下へと動きまくるパートがあり、圧巻です。アウトロ部分に限らず、ボーカリストとしてのプリンスの技術が全編でじっくり堪能できます。

「Originals」で聴けるプリンスのボーカルトラックは、明らかに仮歌用やガイドボーカル用として録音されているように聴こえるものがほとんどで、ちょっと肩の力が抜けていたり、録音の詰めが甘かったりするのですが、「Baby You’re A Trip」に関しては、自分のアルバム用に録音していたのではと感じる高クオリティな内容です。そして、そのプリンスのボーカルガイドに従いながらも、しっかり自分の個性を注入して歌っているジル版を聞き直し、彼女の技術の高さに気づくこともできました。ジル・ジョーンズはプリンス関連以外の仕事だと、坂本龍一の「You Do Me」で歌ってるのが日本では有名ですね。

上の「Nothing Compares 2 U」ほどでは無いにせよ、トラックのほうもジル版とは異なっていて、「Originals」版はシンセとオルガンの中間的なキーボード音がアレンジの中心となってますが、ジル版ではこの音はほとんどカットされていて、その代わりにピアノの音やクレア・フィッシャー(再び登場)がアレンジしたストリングスやホーンが入っています。ドラムも「Originals」版はLM-1丸出しのノン・エフェクトで、ジル版には各ドラム音に丁寧に空間系エフェクトが施されていて、80年代後半の時代感覚が濃厚です。

この傾向は「Originals」の全体にあって、アルバムをサラッと聴くと「デモの段階からしっかり作り込んであるんだなー、なんならこれで普通にリリースできるし、正直こっちのほうがいいんじゃないの?」と感じる人も多くいるだろうとも思うのですが、提供された人たちの完成曲と比較しながら聴くと、完成、つまり商品化に向けて、時代に合わせた細心のチューニングがじっくり行われていたことがわかります。

1位 – Jay-Zのゴリ押しで収録された「Love… Thy Will Be Done」

このアルバム収録の唯一の90年代曲です。少々場違いな雰囲気がありますが、アルバムを企画した音楽配信サイトTIDALのボスであるJay-Zがゴリ押ししたから入ったんだそうで(Jay-Zがゴリ押ししたのは、この曲と「Jugle Love」だったそうです)、個人的にはJay-Zグッジョブ!という感じです。

「Love… Thy Will Be Done」はビルボード1位のヒット曲「Toy Soldiers」(1989年)で知られるキューバ系女性歌手マルティカに提供された曲で、作詞はマルティカとプリンスの共作。なんでも「Toy Soldiers」大ヒット後に次のアルバム制作に行き詰まっていたマルティカが、プリンスの映画「Graffiti Bridge」を見てえらく感銘を受け(6回も見に行ったとか)、ミネアポリスまでアイデアノート持参で共作を直訴しに行った結果生まれたのが、この「Love… Thy Will Be Done」なんだそうです。

この曲はプリンスの作品の中でもかなり珍しい曲で、他のアーティストの曲を2小節ぶんサンプリングして、それをずーっとループさせて土台としている、ヒップホップっぽい発想で作られている曲です。ちょっと考えてますが、他にこういう作りのプリンスの曲は思い出せないですね。サンプリングされているのはCocteau Twinsの「Fifty-fifty Clown」という曲です。

イントロのドラムが入る前のベースと僅かに聞こえるシンセを2小節丸々ループし続けています(弾き直して再現してる可能性はありますが、土台にしてることは間違いないと思います)。マルティカ版が後半に向かって徐々にストリングス系のシンセ音を厚く重ねることで曲にメリハリをつけているのに対して、プリンス版のほうはトラックに大した変動はなく、自分の声による魅惑の多重録音コーラスだけで後半を盛り上げていきます。このメリハリの薄さが昨今のアンビエントR&Bを先駆けているようで、また、インディ・ロックのサンプリングを土台にしていると言う点でもかなり現代的なセンスで、Jay-Zがこの曲にこだわったのも納得できます。

さて、プリンスの財団で保管庫を管理している人(アーキビスト)の最新のインタビューを読むと、どうも保管庫の内容のリリース順に関して大局的なヴィジョンがあるわけではなく、ジャブを打って世間の反応を読みつつ次の一手を考える、というようなスタンスでやっていて、例えば今回の「Originals」は、18年4月にリリースされた「Nothing Compares 2 U」のシングルが好評だったことを受けての企画だったと明かされています。財団は保管庫の中の録音物を全部リリースするという考え方にも否定的で、このリリースのペースだと、自分が死ぬまでに自分が聴きたいものが全部聴けるかどうか、非常にあやしいところです。

次はまだ誰も聴いたことがない未発表曲のリリースをおねがいします!あと、関連アーティストたちのアルバムの再発も!

ミュージック・マガジン2019年3月号

「ミュージック・マガジン」2019年3月号にプリンスのアルバム再発シリーズ第1弾の3枚「Musicology」「3121」「Planet Earth」について原稿を書かせていただきました。

【特集】 Suchmos

2017年のセカンド・アルバム『THE KIDS』でシーンの最前線に飛び出したSuchmos。その後レーベルを立ち上げ、シングルやミニ・アルバムをリリース、2018年秋には横浜アリーナ2デイズを行なうなど、ライヴの動員を飛躍的に高めた。そして2019年の3月にサード・アルバム『THE ANYMAL』をリリースする。まだ制作途中ながら、彼らの発言をもとに、一足早くその全貌に迫りたい。

■ ロング・インタヴュー~K点を越えるためにはどうしたらいいんだろうと考えた(今井智子)
■ 『FIRST CHOICE LAST STANCE』から『THE ANYMAL』にいたるライヴと音源の変遷(金子厚武)

【特集】 創刊50周年記念ランキング~2020年代への視点(2) AOR/ヨット・ロック・オールタイム・アルバム・ベスト100

創刊50周年を記念したランキング企画の第2弾は「AOR/ヨット・ロック」です。サンダーキャット『ドランク』に参加したマイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスを始め、再評価が進む70~80年代の名作と、大きな潮流となっている近年のリヴァイヴァルから生まれた新しい作品を、まとめてランキング! 40人の識者に1位から30位まで順位をつけていただいたものを編集部で集計し、ベスト100を選出しました。どうぞお楽しみください!

■ 40人の投票で選ばれた100枚! (五十嵐正、池上尚志、石川真男、今村健一、印南敦史、宇田和弘、大鷹俊一、岡田拓郎、岡村詩野、小熊俊哉、小野島大、片島吉章、金澤寿和、栗本斉、小林慎一郎、小林野渉、小渕晃、駒形四郎、佐藤英輔、柴崎祐二、高橋健太郎、クニモンド瀧口、土佐有明、名小路浩志郎、能地祐子、萩原健太、長谷川町蔵、早坂英貴、林剛、廣川裕、松永良平、宮子和眞、村尾泰郎、安田謙一、山本勇樹、油納将志、吉本秀純、渡辺亨、久保太郎、矢川俊介)
■ 対談~AOR再評価の流れ(長谷川町蔵×松永良平)
■ 筆者紹介~ランキングに参加した40名の総評
■ ランキングに参加した筆者の個人別ベスト30

□ ルーファス・ウェインライト~来日公演前の思いを語る(木津毅)
□ テデスキ・トラックス・バンド~4枚目のスタジオ・アルバム『サインズ』(五十嵐正)
□ 柴田聡子~王道をやりすぎるくらいでいいかんじ(安田謙一)
□ クリトリック・リス~日比谷野音公演前に新作を発表(高岡洋詞)
□ 創刊50周年記念連載~『ミュージック・マガジン』50年史~第3回:70年代洋楽ロックと『ニューミュージック・マガジン』(萩原健太)
プリンス(松竹剛)
□ ギャラクティック(佐藤英輔)
□ アンドレア・モティス(高田敬三)
□ アレックス・リリー(渡辺亨)
□ ザ・ロッホ・ネス・マウス(小熊俊哉)
□ ア・ホーク・アンド・ア・ハックソー(松山晋也)
□ あがた森魚(村尾泰郎)
□ Super Ganbari Goal Keepers(松永良平)
□ ムノーノ=モーゼス(池上尚志)

Front Line
◇ オリジナル・ラブ
◇ ザ・クレイプール・レノン・デリリウム
◇ メチル・エチル
◇ リトル・シムズ
◇ AK-69
◇ 花澤香菜
◇ 杏沙子
◇ みきとP