2021年ベストミュージック

2021年に発表された音楽の中から、よく聴いた10作品を選びました。

Beak> – Oh Know

Beak>は最高の音響で最高のメロディで最高のコンビネーションのロックバンドですね。

Equinoxx – Basic Tools (Mixtape)

ジャマイカ在住(今でも?すごい!)のヘンテコダンスホール。各メンバーや関連アーティストのソロ作も軒並み全部少し変で良かったです。

Facta – Blush

90年代に自分がインテリジェンステクノ、アンビエント、トリップホップに求めていた、それらの中間地点的なチルアウト感がここに生み出されてました。シングルやEPで出てるFMシンセ大活躍のダンストラック群も素晴らしい。

Roman Flugel – Eating Darkness

ロックダウン期にDJ仕事を全部断ってワクチン摂取センターで週30時間バイトをしていたエピソードに胸熱くなる、ベテランからの「stay positive and not be eaten by darkness」というメッセージ。

ザ・ビートルズ:Get Back

ビートルズが七転八倒してバチバチ衝突しながら歌詞やメロディやアレンジをひねり出している生々しい映像が6時間も見れる。6時間も。何かを作ろうという時はビートルズですらこんなに無様に苦労している!

Kiefer – When There’s Love Around

ローファイなヒップホップビートに本格的なジャジィなキーボード…というこれまでのイメージを求めて聴き始めたら…うまい牛丼を食べに来たつもりが、気がついたら料亭ですき焼き食べてるような感じ。

μ-Ziq & Mrs Jynx – Secret Garden

最近のμ-Ziqことマイク・パラディナスさんの仕事、ミュージシャンとしてもレーベルオーナーとしても、何やってもクオリティが高過ぎじゃないですか。インスタではなぜか全身黒で決めた私服姿を不定期に発信中(→Instagram)。

Eris Drew – Quivering In Time

これぞバレアリック。楽しくて柔らかいレイヴ・ミュージック。近年一番期待していたアルバムが期待以上の内容でした。

Coldcut & Mixmaster Morris – @0

Coldcut がアンビエントをテーマにコンピレーションアルバムを選曲し、そこにMixmaster Morrisが一緒になってミックス音源(→Spotify →YouTube)までついてくる、まさにユートピアでしょう。

Chande b2b Gracie T | BR London: Yung Singh Pres. Daytimers

80年代UKのインド人コミュニティが昼に行っていたパーティー「Daytimer」を再現するUKグライム系イベントの動画で、皆が一斉に手を上げ、頭を振り、曲をリワインドして何度も聴き直す、荒っぽいミックス。熱気の塊。

リアルな問題として、レコード屋やクラブ、ライブハウスが閉店し、ミュージシャンや裏方さんが廃業していく。ここに光があるのではないかと去年は盛んだった音楽配信も今ひとつ定着とは言い難い現状で、そんな中でも腐らずに動いている皆さんをどうやったらサポートできるか模索する毎日です。

そんなこんなで、よく聴いた曲をガサっとSpotifyにまとめたので、新しい音楽との出会いのきっかけになれば嬉しいです。

2020年ベストミュージック

2020年に発表された音楽の中から、よく聴いた10作品を選びました。

Phoebe Bridgers – Punisher

透明な歌声とその佇まいに反した意味不明なステージ衣装、ひっかかりだらけの歌詞、LA出身シンガーソングライターの2ndアルバム。

Hologram Teen – Pizza Conspiracy

元ステレオラブが作るサンプリング・ミュージックが面白くないわけがない。

Shinichi Atobe – Yes

無駄ゼロ、バランス完璧なハウス・ミュージック。

John Carroll Kirby – My Garden

ソランジュのアンビエントR&Bな近作に深く関わっていたプロデューサーのソロアルバム。今にピッタリなニューエイジ感とフュージョン感。

Koolade – The Hop

P-Funkハウス。このベースラインのセンスにひれ伏します。

Against All Logic – 2017 – 2019

Nicolas Jaarの実験プロジェクト。AllのLogicにAgainstしてるのに不思議なほどにダンサブル。

Kate NV – Room for the Moon

80年代のセゾン文化のあの感じを現代に再興させるためにロシアから送り込まれた刺客。

Quakers – II The Next Wave

Portishead周辺がStones Throw周辺とつるんで大暴れするQuakersプロジェクト、8年ぶりのアルバム。ビート集も最高でした。

Eris Drew – Fluids of Emotion

90年代のアンビエントハウス心とトリップホップ心を見事に融合させて現代に復活させてる。Octo Octaの盟友。

Prince – Sign O’ The Times (Super Deluxe)

このクオリティーでどんどんアーカイブ再発を続けていってください。

はい、コロナ禍ですね。田舎に住んでるので、ほいほいと都会のレコード屋に出かけていくこともできず、クラブやライブハウスも遠のいてしまい、音楽の「現場」が自分の部屋のスピーカー前だけになってしまいました。音楽もニューノーマルの確立を目指して前進するべきなのか、いやそうじゃなくて、あくまでかつてのノーマルを取り戻すために戦うべきなのか。その中間は有り得るのか。音楽、一体どうなるんでしょう。心配です。

ということで、ステイホームのこの一年の間、大・大・大活躍したSpotifyを使って、よく聴いた曲を思いつく限り放り込んだプレイリストを作ったので、ぜひ聴いてみてください。

ミュージック・マガジン2020年7月号

「ミュージック・マガジン」2020年7月号に「THE BEAUTIFUL ONES プリンス回顧録」の書評を書かせていただきました。

【特集】 RCサクセション~忌野清志郎ベスト・ソングス100
1970年に「宝くじは買わない」でRCサクセションの一員として世に出た忌野清志郎が、2020年でデビュー50周年を迎え、RCサクセション、忌野清志郎名義のシングル・ボックスが、続けてリリースされる。それを機に、忌野清志郎の全キャリア、全名義の楽曲を対象に、ランキングというかたちでいま一度彼の功績を振り返りたい。選者は30人。それぞれ1位から25位まで順位をつけて選んでいただいたものを、編集部で集計してベスト100を選出した。

■ デビュー50周年記念シングル集(原田和典)
■ RCサクセション~忌野清志郎 ベスト・ソングス100(池上尚志、石田昌隆、今井智子、大石始、大鷹俊一、大谷隆之、岡村詩野、小野島大、北中正和、工藤大、栗本斉、小山守、近藤康太郎、斉木小太郎、佐藤英輔、志田歩、高岡洋詞、高橋健太郎、名小路浩志郎、能地祐子、萩原健太、原田和典、廣川裕、二木信、松永良平、村尾泰郎、安田謙一、湯浅学、和久井光司、渡辺裕也)
■ 文化人/ミュージシャンが選ぶ忌野清志郎・私の3曲(相澤冬樹、絲山秋子、小嶋謙介、宮藤官九郎、のん、町田康、森達也)
■ 30人の選者のリストと総評

【特集】 チカーノ音楽の現在
近年、様々な方面で盛り上がりをみせるチカーノ音楽。チカーノ・コミュニティ内部にとどまらず、多くの再発レーベルを中心にチカーノ・ソウルのリヴァイヴァルが進んでいる。そしてその動きと連動しつつ、インディ・ロックともつながりながら独自のシーンを形成するミュージシャンが存在し、さらにインターネット上には宅録アーティストも登場している。伝統的なチカーノ音楽の枠組みでは説明が難しいこうした状況を、関係者やミュージシャンへのインタヴュー、ディスク・ガイドで読み解く。

■ 宮田信(ミュージック・キャンプ)に聞くチカーノの音楽地図(大石始)
■ マリネロ・インタヴュー(渡辺亨)
■ チカーノ音楽ディスク・ガイド(大石始、長屋美保、吉本秀純、ワダマコト)

□ ケレケトラ!~コールドカットによる国際的なプロジェクト(原雅明)
□ PIZZICATO ONE~昨秋に行なったライヴの実況録音盤(安田謙一)
□ 岡田拓郎~約3年ぶりとなるフル・アルバム(岡村詩野)
□ ニュー・スタンダード2020s~第6回 ポスト・パンク(天井潤之介、石川真男、大鷹俊一、小野島大、金子厚武、村尾泰郎、安田謙一)
□ ダークスター(小野島大)
□ クラップ!クラップ!(渡辺健吾)
□ NTSラジオ(油納将志)
□ グレイ・デイズ(山口智男)
□ おとぎ話(西澤裕郎)
□ カミナリグモ(小松香里)
□ 山中千尋(土佐有明)
□ 『攻殻機動隊 SAC_2045 O.S.T.』(宗像明将)
□ シバノソウ(高岡洋詞)
□ 夕食ホット(矢川俊介)
□ 岡村靖幸『操』の評価をめぐって(近藤真弥×久保太郎)

Front Line
◇ ポール・ウェラー
◇ ノラ・ジョーンズ
◇ ジュリアナ・バーウィック
◇ クルアンビン
◇ ザ・デヴォーンズ
◇ ゆうらん船
◇ Wool & The Pants
◇ Mom
◇ 杏沙子
◇ Saltie
◇ Mili