ラジオ「ありがとう浜村淳です」での浜村淳の気になる発言&行動記録:2016年版

ラジオ番組「ありがとう浜村淳です」関連の自分ツイートまとめの2016年版を公開しました。2016年度も快調に飛ばす浜村大先生の勇姿をご確認ください。

2016年版は上半期版と下半期版に分けました。

以下は過去のまとめです。

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Cocteau Twins が昔使っていたドラムマシンのリスト

Cocteau Twins の1984年のアルバム『Treasure』を聴いていて、全編にわたってガシャガシャと鳴っている不思議なドラムの音は一体何なんだろう?どこか他で聴いたことあるような気もするけど、1984年?と疑問に思ったので調べてみたら、Cocteau Twins の Robin Guthrie ご本人が、ご丁寧に作品ごとの使用ドラムマシンのリストを自分のサイトで公開していました。

  • Garlands – Roland TR-808
  • Lullabies – Linn LM1
  • Peppermint Pig – Linndrum
  • Head Over Heels – Emu Drumulator
  • Sunburst And Snowblind – Emu Drumulator
  • Treasure – Emu Drumulator modded with the rock chips set (samples of John Bonham)
  • Aikea Guinea – Roland TR-707
  • Victorialand – just a Roland CR-78 on one song
  • Echoes In A Shallow Bay/Tiny Dynamine – Roland TR-707 and TR-727
  • Blue Bell Knoll – Emu SP12, Yamaha RX5
  • Heaven Or Las Vegas – Akai MPC 60 MK1, Emu SP1200
  • Four Calendar Cafe – Akai MPC60 MK1, Roland CR1000
  • Milk And Kisses – Akai MPC60 MK2

ということで、『Treasure』で使ってるのは、E-mu の Drumulator で、ロックチップで拡張したものだそうです。ロックチップというのは、自分も知らなかったのですが、当時 DigiDrums という会社(のちの DigiDesign)が Drumulator 専用の内蔵音源拡張用のマイクロチップを販売していて、その中のひとつが、Led Zeppelin 風のロックドラムの音をサンプリングしたロックチップ(Rock Drums 1)だったんだそうです(実際に When the Levee Breaks をサンプリングしてるという説と、Led Zeppelin は無関係という説がある模様)。Tears For Fears の「Shout」で鳴ってるスネアドラムの音もこれなんだとか。

Robin Guthrie のサイトには、上に転載したドラムマシンのリストと一緒に、Cocteau Twins でのドラムマシンの使い方について書かれた文章なども添えてあって、これがなかなか面白い内容だったので雑に訳してみました。

ドラムマシンを使ってみた理由は、特に80年代にはプログラムされたビートとサンプルされたサウンドというアイデアは新しかったと思うし、多くの選択肢は無かった。当時はデジタルがキーワードになっており、人々に愛されている 808 は「より良いもの」への足がかりだった。信じて欲しいんだが、1982/1983年には、バリバリしたひどい8 bitの Fairlight のサンプルのほうが、太いアナログの808キックよりも良かった。

808 は、うっかりミキシングデスクでオーバーロードさせたDJや、私がやったように、エフェクターを通してドラムマシンを使っていた人々が鳴らした、汚くて間違って生成された音によって人気が出たが、私がこの箱を『Garlands』(訳注:1982年 Cocteau Twins のデビューアルバム)で使った時は、やるべきだった事よりも弱気な使い方しかできなかった。これには多くの理由があるが、当時一緒に制作していた人達はとても「物知り」で、19歳になったばかりの私は、DR-55 Dr.Rhythm と 2台の Soundmaster Sr88 を fuzz (on/off) と reverb (spring) を設定したギターアンプで鳴らす、という自己流のドラムマシンの使い方に自信を持つことができなかった。多くの場合は HH amplification だったが、自作のホワイト&ピンクノイズ生成装置もサウンドに厚みを与えるために(「物知りな人達」にとっては音が聞き辛くなるようだったが)使用していた。だから私にとっては、いつもしりごみしてしまう。発表から22年たっても『Garlands』は全然あるべきだった姿になっていない。

しかし、後期の Cocteau Twins では、ドラムマシン(それらに神の祝福を)本来の音をMIDIキーボードを使ってプログラムしたサンプラーでフェイズさせて鳴らしていることを言っておきたい。当時私はコンピューターの代替品にはまったく関心が無かった(音楽に関しては)(その頃 Fairlight は約33,000ドルだった)。コンピューターとハードウェアの不便な組み合わせに非常に悩み、より「音楽的」な作曲ツールに集中しようとした。私にとっては Akai MPC60 や EMU SP1200 がそうで、サンプリングしたい時にでき、もちろん、後で使うためにセーブもしない。no bitsよりも12 bitのほうが良い。だろ? 要するに、 Cocteau Twins のドラムのほとんど、私のプログラムしたものは、当時最高の機材では「まったく無く」、そういう音をテープに焼き付けていた。しかしながら、私が指摘しておきたいのは、自己満足だとしても、私が Cocteau Twins のレコードで演奏したビートとリズムは、私にとっては、今でもとても生命力にあふれているということだ。

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90年代のThe Black Dogの未発表曲やデモ、ライブ音源を大いに聴く

YouTubeに「Black Dog Productions – Live Jam Sessions Vol1 Side A」「Black Dog Productions – Live Jam Sessions Vol1 Side B」という50分前後の動画が2本アップされています。アップロードしているのはYouTubeにPlaidのビデオやらライブ音源やらレア音源やら、なんやらかんやらを大量にアップロードしているThePlaidedという名前の(恐らく)ファンの非公式なアカウント。


いつ、どこで録音されて、どういう経緯で出てきた音源なのか、公開した当人は「私ではなくて(Plaidの)Andyに感謝して」 と書いているだけで、アップされたのが2014年という以外に、正確なことは何もわかりません。ブート盤などでマニア間で出回っているような音源でも無さそうです。タイトルにはLive Jam Sessionsとありますが、ライブ音源やジャム・セッション音源というよりは、デモやアウトテイクをカセットテープに簡単にまとめたもの、という感じの音源集です。

トラックリストは下のとおり。

SideA
psil coysin (spanners demo)
unknown (spanners outake)
rosery pilots (mix2)
unreleased (spanners/ peel session outake)
unreleased
simpleton peel session
unreleased (spanners outake)
unreleased (spanners era)

SideB
unreleased ?
unreleased ?
merck (acidmix)
norte route (mix5)
fight the hits (bytes outake)
merck (mix 3)
unreleased (bytes outake)

SideAは『Bytes』(1993年)、SideBは『Spanners』(1995年)の頃の録音をまとめたもののようです。たしかに、どの曲もそれらのアルバムに違和感なく溶け込みそうな質感の曲ばかりです。Side Bの1曲目は、Plaidの97年のシングル『Undoneson』収録の「Spudink」の原型のようにも聴こえます。

他にもThePlaidedさんはThe Black Dog分裂前の3人体勢での最後のライブだという、1995年ストックホルムでのライブ音源なんかもアップしています(ラジオで放送されたものらしい)。最後に入ってる『Spanners』収録の「Chesh」のヒップホップ・バージョンが渋いです。

下の2本の音源は現The Black DogのSoundCloudにアップされているもので、The Black Dogの1997年カナダでのライブ音源です。Plaidの2人が脱退してKen Downieの1人体制になったThe Black Dogが、1997年に200本限定でリリースしたカセットテープ『Live Demo 1997』と同内容のもののようです。


デビュー時代や『Bytes』『Spanners』時代の要素を混ぜ込みつつ、『Music for Short Films (and Adverts)』時代のThe Black Dogが鳴らしていた中近東的なサウンドが多く聴ける音源です。

Ken Downieの1人体制の『Music for Short Films (and Adverts)』(1996年)は軽視されがちなアルバムですけど、短い曲が大量に入ったビート集的な構成といい、テープの回転速度を遅めたようなビートといい、絶妙にくすんだ音質といい、今の感覚で聴くほうがすんなり入って来ますね。出た当時は「なんだこれは?」という感じで、メロディもビートも素晴らしいのに、曲がすぐ終わってしまうのが物足りなかったのですが、今聴くとちょうど良く感じます。今だったらBandcampで売られてそう。大好きなアルバムです。

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