Cocteau Twins が昔使っていたドラムマシンのリスト

Cocteau Twins の1984年のアルバム『Treasure』を聴いていて、全編にわたってガシャガシャと鳴っている不思議なドラムの音は一体何なんだろう?どこか他で聴いたことあるような気もするけど、1984年?と疑問に思ったので調べてみたら、Cocteau Twins の Robin Guthrie ご本人が、ご丁寧に作品ごとの使用ドラムマシンのリストを自分のサイトで公開していました。

  • Garlands – Roland TR-808
  • Lullabies – Linn LM1
  • Peppermint Pig – Linndrum
  • Head Over Heels – Emu Drumulator
  • Sunburst And Snowblind – Emu Drumulator
  • Treasure – Emu Drumulator modded with the rock chips set (samples of John Bonham)
  • Aikea Guinea – Roland TR-707
  • Victorialand – just a Roland CR-78 on one song
  • Echoes In A Shallow Bay/Tiny Dynamine – Roland TR-707 and TR-727
  • Blue Bell Knoll – Emu SP12, Yamaha RX5
  • Heaven Or Las Vegas – Akai MPC 60 MK1, Emu SP1200
  • Four Calendar Cafe – Akai MPC60 MK1, Roland CR1000
  • Milk And Kisses – Akai MPC60 MK2

ということで、『Treasure』で使ってるのは、E-mu の Drumulator で、ロックチップで拡張したものだそうです。ロックチップというのは、自分も知らなかったのですが、当時 DigiDrums という会社(のちの DigiDesign)が Drumulator 専用の内蔵音源拡張用のマイクロチップを販売していて、その中のひとつが、Led Zeppelin 風のロックドラムの音をサンプリングしたロックチップ(Rock Drums 1)だったんだそうです(実際に When the Levee Breaks をサンプリングしてるという説と、Led Zeppelin は無関係という説がある模様)。Tears For Fears の「Shout」で鳴ってるスネアドラムの音もこれなんだとか。

Robin Guthrie のサイトには、上に転載したドラムマシンのリストと一緒に、Cocteau Twins でのドラムマシンの使い方について書かれた文章なども添えてあって、これがなかなか面白い内容だったので雑に訳してみました。

ドラムマシンを使ってみた理由は、特に80年代にはプログラムされたビートとサンプルされたサウンドというアイデアは新しかったと思うし、多くの選択肢は無かった。当時はデジタルがキーワードになっており、人々に愛されている 808 は「より良いもの」への足がかりだった。信じて欲しいんだが、1982/1983年には、バリバリしたひどい8 bitの Fairlight のサンプルのほうが、太いアナログの808キックよりも良かった。

808 は、うっかりミキシングデスクでオーバーロードさせたDJや、私がやったように、エフェクターを通してドラムマシンを使っていた人々が鳴らした、汚くて間違って生成された音によって人気が出たが、私がこの箱を『Garlands』(訳注:1982年 Cocteau Twins のデビューアルバム)で使った時は、やるべきだった事よりも弱気な使い方しかできなかった。これには多くの理由があるが、当時一緒に制作していた人達はとても「物知り」で、19歳になったばかりの私は、DR-55 Dr.Rhythm と 2台の Soundmaster Sr88 を fuzz (on/off) と reverb (spring) を設定したギターアンプで鳴らす、という自己流のドラムマシンの使い方に自信を持つことができなかった。多くの場合は HH amplification だったが、自作のホワイト&ピンクノイズ生成装置もサウンドに厚みを与えるために(「物知りな人達」にとっては音が聞き辛くなるようだったが)使用していた。だから私にとっては、いつもしりごみしてしまう。発表から22年たっても『Garlands』は全然あるべきだった姿になっていない。

しかし、後期の Cocteau Twins では、ドラムマシン(それらに神の祝福を)本来の音をMIDIキーボードを使ってプログラムしたサンプラーでフェイズさせて鳴らしていることを言っておきたい。当時私はコンピューターの代替品にはまったく関心が無かった(音楽に関しては)(その頃 Fairlight は約33,000ドルだった)。コンピューターとハードウェアの不便な組み合わせに非常に悩み、より「音楽的」な作曲ツールに集中しようとした。私にとっては Akai MPC60 や EMU SP1200 がそうで、サンプリングしたい時にでき、もちろん、後で使うためにセーブもしない。no bitsよりも12 bitのほうが良い。だろ? 要するに、 Cocteau Twins のドラムのほとんど、私のプログラムしたものは、当時最高の機材では「まったく無く」、そういう音をテープに焼き付けていた。しかしながら、私が指摘しておきたいのは、自己満足だとしても、私が Cocteau Twins のレコードで演奏したビートとリズムは、私にとっては、今でもとても生命力にあふれているということだ。

Tweet about this on TwitterShare on Facebook