Carl Craigの別名義69の曲「Rushed」のサンプリングネタ
Carl Craigの別名義69の曲「Rushed」のサンプリングネタをメモしておきます。
「Rushed」は大好きな曲なので、サンプリングネタが何なのか昔から調べていました。My mine「Hypnotic Tango」をサンプリングしてるというのは広く知られているのですが、それだけでなく、高音のシンセを巻き込んで逆再生されているドラムマシンのような音が、当時のサンプリングらしい粗い音色でずっと鳴っています。でも、どこから来ているのかは分からず、レコードからのサンプリングではないのかもしれないと思い始めていました。
YouTubeに投稿された上の「Rushed」のコメント欄を流し見していたら、答えがみつかりました。
上の動画の5分50秒以降くらいにサンプリングできそうなポイントがあります。Infonetというイギリスのレーベルから1993年にリリースされたEddie Fowlkesの「I Wanna Know」という曲です。
このサンプリングネタ情報をYouTubeに投稿した人が「Rushed」についてさらに面白い事実を明かしていて、このEddie Fowlkesの「I Wanna Know」はInfonetのコンピレーション盤『Beyond The Machines』に入っているのですが、このコンピレーションに収録されているThundergroundというアーティスト(Banduluの変名)の「Amerenth」という曲が、My Mine「Hypnotic Tango」から「Rushed」とまったく同じ部分をサンプリングした曲になっています(この曲は1992年リリース)。
このコンピがリリースされたのが1993年で、69の「Rush」が入ったEP『Sound On Sound』がリリースされたのも1993年です。業界内でプロモ盤が出回ったりしてるでしょうし、厳密な前後関係は分かりませんが、状況証拠的には、Carl CraigはイタリアのバンドMy Mineの「Hypnotic Tango」をサンプリングしたのではなく、コンピ盤『Beyond The Machines』から2曲をサンプリングして「Rushed」にまとめあげたのではないか、という推理が成立しそうです。それはそれでとても豪快な話で、自分の中で「Rushed」がさらに輝きを増しました。