2004年にRephlexが編纂した『Grime』コンピのリリースパーティーの音源90分
2004年にRephlex Recordsが『Grime』というタイトルのコンピレーション盤を2枚リリースしました。Mark One、Plasticman(現Plastician)、Kode 9、Digital Mystikzといったアーティストの作品がそれぞれ3.4曲ずつ収録されているシンプルな内容で、グライム、ダブステップのシーンをストレートに紹介するものでした(厳密にはこのコンピにはダブステップ的な音が入っていますが、そういうジャンルの細分化に対するアンチテーゼ的な意味と、ダブという語を使うことへの抵抗感などの理由から『Grime』というタイトルにされたそうです)。
そのリリースにあわせてロンドンのクラブThe Endで開催されたリリースパーティーの一部を録音した音源がMixCloudに公開されています。
Mark OneとPlasticmanがDJをしていて、Virus Syndicateの皆さんが調子良くMCしています。ガラの悪そうな声のMCが「リーフレーックス!」と何度も叫んでいるのが違和感あって面白いですね。Mark OneとPlasticmanはRephlexの面々と一緒にアメリカツアーを回ったそうで、他にも『Grime』参加アーティスト勢とRephlexのいつもの面々勢が2つのフロアに分かれてプレイする大きなパーティーなんかも開催されていたそうです。出演者のあいだでも、客のあいだでも、いい感じの文化衝突が起こっていそうです。
『Grime』が出た2004年当時、自分はグライムのこともダブステップのこともよく知らなくて、このコンピもRephlexの知っている面子の参加が無かったので、何故Rephlexがこのコンピを出すのか今ひとつ理解できず、一度も聴くことなくパスしていました。世界的に音源を流通させていたRephlexがこのコンピをまとめてリリースしたことで、ロンドンの地下シーンに溜まっていたエネルギーが世界中の音楽ファンに向けて拡散する大きなきっかけになったのは間違いないでしょう。00年代にRephlexがリリースした作品の中でも意義深い作品のひとつだと思います。