Carl Craigの別名義69の曲「Ladies And Gentlemen」のサンプリングネタをメモしておきます。
「Ladies And Gentlemen」は大好きな曲なので、サンプリングネタが何なのか昔から調べていました。Curtis Mayfield「Little Child Running Wild」をサンプリングしてるというのは広く知られているのですが、それだけでなく、冒頭(上の動画の57秒くらいから)と中盤にはっきり聴こえる、持続するシンセのような高音とパーカッションが当時のサンプリングらしい粗い音色で鳴っています。でも、どこから来ているのかは分からず、レコードからのサンプリングではないのかもしれないと思い始めていました。
先日、何気なくロック史のドキュメンタリー映像をYouTubeで流し見していたら、ウッドストックとサマー・オブ・ラブを紹介する場面で、まさに探していた「Ladies And Gentlemen」のサンプルネタが入った曲がBGMとして流れてきたので、サマー・オブ・ラブをヒントに探してみたら、見つかりました。Jimi Hendrixの「Ezy Ryder」という曲でした。
Jimi Hendrixの死後の1971年にリリースされたコンピレーション・アルバム『The Cry Of Love』に入っている曲だそうです。
ひょっとすると「69」と言う名前もJimi Hendrixの「If 6 Was 9」や1969年のウッドストックフェスティバルから由来していて、この名義はロックをコンセプトにして立ち上げられたのかも?と思いましたが、Carl Craigの生まれた年が1969年だというのに由来しているという本人の発言があるそうで、実際のところはよくわかりません。
とにかく未発表曲や未発表バージョンが11曲入ったディスク2「From The Vault & Previously Unreleased」。これです。
なかでも10曲目の「We Can Fuck」が圧巻です。個人的には今回の4枚のディスクの中にこれ1曲しか入って無かったとしても許せるくらいに震えました。1990年リリースのアルバム『Graffiti Bridge』(以下『GB』と略)に入っている「We Can Funk」の原型的なバージョンで、『GB』版はGeorge Clinton率いるP-Funk軍団とのコラボレーションでしたが、今回収録のものはプリンスがほぼすべての楽器を演奏していて、よりシンプルで生々しいバージョンになっています(ちなみに昔からブートで広く流通しているのは、86年録音の別バージョンです)。
例えば、『GB』版にはP-Funk勢が歌詞やメロディーを追加していて(I’m testing positive for the funk~ のくだりなど)、Fuck版と並べることでP-Funk勢がどこに何を入れて何を歌ったのかが明確になっています。プリンスは再録音にあたってタイトルや歌詞の中のFuckをFunkに変えるなどして表現を丸めているのですが、そこにP-Funk軍団がPeeがどうしたこうしたという歌を追加することで、別の方向に表現を尖らせていて、あらためてGeorge Clintonの凄味というか狂気というかを再確認することもできました。90年前後頃、プリンスは保管庫の中の古い未発表曲のマルチテープを毎日何曲も取り出してきては、自分が聴くためにミックスし直したりサンプリングして新曲に使ったりする作業にハマっていたそうで、『GB』版「We Can Funk」もそういった作業の延長線上に生まれたのだろうと思いました。