2024年ベストミュージック

2024年に発表された音楽の中から、よく聴いた10作品を選びました。

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今一番好きなバンドの充実した新アルバム。映画「シビル・ウォー」のサントラも良かったGeoff Barrowの脱退は非常に残念ですが、活動は継続するそうで、応援してます。(→Bandcamp

Dabrye – Super-Cassette

デトロイト発のインストゥルメンタル・ヒップホップ、Dabryeの久しぶりのアルバムは元々はテープのみのリリース(今はサブスク等でも聴けるようになってます)。今年はドラムンベース時の名義X-AlteraのEPも出てて、そっちも良かったです。(→Bandcamp

Caribou – Honey

Daphni名義でクラブ・ミュージックをやってるCaribouですが、こっちの本体のほうの名義もガッチリと4つ打ちのクラブ・ミュージック仕様になりました。しかも、とてつもなくポップで華やかです。(→Bandcamp

Seefeel – Everything Squared

真・音響系、Seefeelの完璧な帰還です。PoleのStefan Betkeがマスタリングをやってるのも実はかなり大きな貢献になってるのかも。この浮遊感よ。(→Bandcamp

cosmic collective – EEEEEE

キーボードとベースの2人を中心としたアメリカのジャズ系のグループという程度のことしか分からない。ヒップホップのビート集のような感覚で、気の抜けた短いインスト曲を大量にリリースしてます。(→Bandcamp

Syclops – Black Eye

大ベテランDJ、モーリス・フルトンの、王道のハウスからちょっとはずれた実験的でサイケデリック寄りな名義、という理解でいいのか、Syclops名義での新アルバム。モーリス・フルトンは常にハズレがないですが、特にこの名義の尖り方は最高です。(→Bandcamp

Shoko Igarashi – Onsen Music

山形出身でベルギー在住の人のセカンド・アルバム。もともとはサックス奏者としてバークリー音楽大学を卒業したような背景のある人だそうで、前作は80年代の日本製のOVAのサントラみたいだったところに、今作では歌を中心に据えたポップス的な方向に大きく広がってます。(→Bandcamp

Max Graef – Natural Element

昔Ninja Tuneからちょっと変なブレイク系・ビートダウン系の作品を出してたドイツの人の久々の新アルバムは、90年代UKのインテリジェンス・テクノやトリップ・ホップを思わせる、キラッキラでツルッツルなサイケデリック・ダブ。(→Bandcamp

OMOLOKO – GALA warm-up: OMOLOKO

「Kuduro」というアンゴラ発祥の音楽ジャンルをブラジルのDJがミックスしたもの。自分は全然知らないジャンルだったのですが、いろいろ聴いた中では、このミックスが一番シンプル&現代的で、底抜けに楽しかったです。

Ian Anderson (The Designers Republic) – Herb Sunday 107

デザイナーズ・リパブリックの事務所内で流れているという2000曲のSpotifyプレイリスト。有名な曲/無名な曲、新しい曲/古い曲、元気な曲/静かな曲、それぞれのバランスが絶妙で、しかも全部がいい曲です。しばらくこのプレイリストを流しっぱなしで生きていけそう。(下の埋め込みプレイヤーでは100曲までしか表示しないようなので、リンク先で確認してください。→Spotify

2024年、どこから新しい音楽の情報を入手したらいいのか問題。音楽情報サイトがどんどん力を失っていき、SNSもこの有り様で、これまでの10年~20年の感覚でネットで情報収集をしていたら、すでに有名なアーティストの情報は確実に得られるけど、新しいアーティストの情報にまったく出会えない状態に陥ってしまいそうです。「しまいそう」というか、もうとっくにそうなってますね。

こうなってくると、小さなクラブやライブハウスによく出入りしてる人だったり、個人経営のレコード屋さんだったりの、人生を乗っけて音楽に直接向きあってる人達からの生の情報が一番信頼できる、という当然のところに長い回り道をして戻ってきた感じです。そのこと自体は良い面が多いような気がします。これからは人生を乗っけて音楽に直接向きあっていきたい。

そんなこんなで、よく聴いた曲をガサっとSpotifyにまとめたので、新しい音楽との出会いのきっかけになれば嬉しいです。曲順にたいした意図はないので、シャッフルして聴いてください。