YouTubeに「Black Dog Productions – Live Jam Sessions Vol1 Side A」「Black Dog Productions – Live Jam Sessions Vol1 Side B」という50分前後の動画が2本アップされています。アップロードしているのはYouTubeにPlaidのビデオやらライブ音源やらレア音源やら、なんやらかんやらを大量にアップロードしているThePlaidedという名前の(恐らく)ファンの非公式なアカウント。
いつ、どこで録音されて、どういう経緯で出てきた音源なのか、公開した当人は「私ではなくて(Plaidの)Andyに感謝して」 と書いているだけで、アップされたのが2014年という以外に、正確なことは何もわかりません。ブート盤などでマニア間で出回っているような音源でも無さそうです。タイトルにはLive Jam Sessionsとありますが、ライブ音源やジャム・セッション音源というよりは、デモやアウトテイクをカセットテープに簡単にまとめたもの、という感じの音源集です。
他にもThePlaidedさんはThe Black Dog分裂前の3人体勢での最後のライブだという、1995年ストックホルムでのライブ音源なんかもアップしています(ラジオで放送されたものらしい)。最後に入ってる『Spanners』収録の「Chesh」のヒップホップ・バージョンが渋いです。
下の2本の音源は現The Black DogのSoundCloudにアップされているもので、The Black Dogの1997年カナダでのライブ音源です。Plaidの2人が脱退してKen Downieの1人体制になったThe Black Dogが、1997年に200本限定でリリースしたカセットテープ『Live Demo 1997』と同内容のもののようです。
デビュー時代や『Bytes』『Spanners』時代の要素を混ぜ込みつつ、『Music for Short Films (and Adverts)』時代のThe Black Dogが鳴らしていた中近東的なサウンドが多く聴ける音源です。
Ken Downieの1人体制の『Music for Short Films (and Adverts)』(1996年)は軽視されがちなアルバムですけど、短い曲が大量に入ったビート集的な構成といい、テープの回転速度を遅めたようなビートといい、絶妙にくすんだ音質といい、今の感覚で聴くほうがすんなり入って来ますね。出た当時は「なんだこれは?」という感じで、メロディもビートも素晴らしいのに、曲がすぐ終わってしまうのが物足りなかったのですが、今聴くとちょうど良く感じます。今だったらBandcampで売られてそう。大好きなアルバムです。